点線日記

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映画「さようなら」を観た

映画「さようなら」を観た。

主演は白人女性で、日本人女性を模したアンドロイドと暮らしている。主人公の彼氏役を新井浩文が演じる。演劇調に作られた映画で、大阪大学青年団という劇団の人も出ていた。
 
事前にレビューを観ると、冗長というかテンションの低い映画で、途中寝てしまったと書いている人が多い。放射能汚染の話である。
 
平田オリザということで?演劇調で若干冗長なところはある。セリフのない長回しが多用されている。私としては特に退屈で眠くなるというものではなかった。日本がこんな風になり得るのかと思うとゾッとするし、空想ではなくていつこうなってもおかしくない。
 
 
演劇調ということについて
そういえば数年前はたまに生の演劇を観に行っていた。今回この映画を観ながら、当たり前だけど舞台で映画みたいな芝居ができないんだなと思った。舞台では音響とか小道具での演出にに限界があるし、観客全てに芝居内容を伝えようとすると、舞台らしいはっきりした表現が必要になる。
だから何だというのでもないけど。この映画ではそういう演劇調の芝居は前半に多くて、ストーリーが進むと映画らしくなってきたと思う。
 
 
 
いかにも放射能汚染をテーマにした映画らしく、避難や体調への影響が芝居がかった口調で語られるので、そういうことで騒ぐ人向けの映画なのだろうかと思った。そうしたことも序盤の方で多くて、だんだん深刻な現実が、具体的な出来事となってくる。ある人は事情があって離婚し独身であることで、避難の順番が後になる。電気が無いのに盆踊り大会が開催される。時間が経つと郵便局が閉鎖になる。
 
こんな深刻な映画に新井浩文はよく出たなと思った。本作品で商業的に売れている俳優は新井さんくらいだ。私の観た上映館はミニシアターのシネリーブル梅田。しかし、あくまで愚直に被害者をやっているわけではなく、新井さんらしい薄情な話の流れになった(あくまでイメージだけど)。
 
「さようなら」というのは、祖国を離れてきた白人女性が身寄りのない日本で、政情的に暮らしていけなくなり、体も蝕まれていってさようならということ。たぶん一緒に暮らすアンドロイドに別れを告げているのだろう。別れを告げる相手が居ないよりは、居る方がマシだ。
主演のブライアリー・ロングさん、発音から日本語が母語でないことがわかるのだけど、「あー」と嘆息する様子が日本人ぽかった。
放射能汚染については私はよくわからないと思う。どこまでが気にし過ぎなのか、何を気にしたらいいのか、基本的なところが調べれば調べるほど分からなくなる感じがする。
 
し かし原発事故が起こった周辺地域を避難区域にすることについて、その範囲の決め方はともかく、避難させること自体をやり過ぎだと思う人はほとんどいないだろう。避難した人の生活保障、農産物の扱い、発電施設の被害収束などで議論は起こるが、避難の必要性には疑いの余地が無いと思う。
すごい真面目な感想だけど、日本のあちこちで、地震津波、台風その他の災害で原発事故が起こる可能性がある。いま潤沢に電気を使い、商業サービスを利用し て豊かな生活をしているのと引き換えに、ある日突然終わりが来て難民になるか健康被害を受けるか選ばないといけないかもしれない。
細い棒の先に載せた皿の上で生活しているようだと思う。
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