最近読んだ本
奥田英朗「噂の女」
奥田英朗が得意な、地方の人間たちが、伝統的な問題を解決せずに温存しながら続いていく生活の小説。
章ごとに違う人物が主人公となって、一人の女から問題を抱え込まされたり刺激を受けたりするけど、噂の真相は謎のままという感じのストーリーですね。
敵を作り味方を作りながら誰とも連れ添わない、女の生き方は新しいのか古いのか。
奥田英朗「ウランバーナの森」
世界的に有名なミュージシャンで隠居状態の「ジョン」が、妻、小さい息子、家政婦と軽井沢で過ごす夏。
ジョンが便秘で内科に行ったり、(日本語がよくわかってないので妻に薦められるまま)心療内科に行ったりして、読んでいると自分がずっと便秘のような気がしてきた。
お盆に読んでぴったりのタイミングでした。
自分の過去の悪事が許せるか(許されるか)、母親を許せるかというところで深い話になってるなと思った。
三浦しをん「ロマンス小説の7日間」
現代の東京で起こっている話と、その主人公が翻訳している中世ロマンス小説が交互に繰り返される。
東京の恋愛小説の部分が、妙にサバサバしてて作者のこだわりみたいなのがうかがえます。
中世の部分は、ドラクエを薄くした感じというか、中世の世界観の広がりがいまいち感じられないなと思いました。人が座標軸上を動いて物語が進行してるような。ハーレクイン風?だから別にいいとは思いますが。